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2008-03-11(Tue)

福岡育児院における入所児童のケアについての事実認定報告書(その2)

報告書の続きです。

赤字のアンダーラインはMariaがつけました。

事実認定に関する補足説明



第1 はじめに



1 当委員会が認定した事実は、別紙「児童養護施設における入所児童のケアに
 ついての事実認定報告書」記載のとおりである。
  この中で当委員会は、「A指導員が、平成19年8月19日の朝食時、掃除
 をしていないことを理由に、自室に居た0君に対し、顔面を殴打した後蹴るな
 どの暴行を行い、さらに○君に対し空き缶及びペットボトルを投げつけた。」
 という事実(同報告書中「1 入所児童に対する体罰」の事実認定欄(1)①)
 及び「B指導員が平成19年5月5日の夕食の頃、片付けをしたか否かについ
 てのP君の言動を契機として、食堂において、P君に対し突き飛ばした上、顔
 面を殴打する暴行を加え、さらに同日夜、度々P君を静養室等の別室に呼び出
 し、顔面を殴打するなどの暴行を行った。」という事実(同報告書中「1 入
 所児童に対する体罰」の事実認定欄(1)②)を認定した。

2 前記各行為に関しては、児童ら代理人弁護士が当委員会宛に提出した意見書
 において特に取り上げている一方で、福岡育児院側は全面的にこれを否定する
 主張をしている。すなわち福岡育児院は、福岡市作成の9月25日付「福岡育
 児院入所児童からの聞き取り(中間取りまとめ)」において指摘された事項に
 対し、これを否定する書面を福岡市に提出しており、また、当委員会が12月
 16日に実施した職員等に対する聞き取り調査に際しても、調査対象となった
 施設長以下職員らは、みな一様に、福岡市の上記書面で指摘されている事項を
 含め、有形力の行使は一切ないと述べた。
  このように福岡育児院側は、前記各行為を全面的に否定していることから、
 本項において当委員会が当該事実を認定した根拠を説明することとした。

第2 8月28日実施の特別監査における児童からの聞き取り調査の信用性


1 8月28日に福岡市が実施した特別監査においては、複数の児童が、複数の施
 設職員において暴行等有形力の行使があったことを供述している。以下に、その
 ごく一部を、例として示す(個人名や、自身が直接受けたものか見聞きしたこと
 であるかが分からないよう、当委員会において一部伏せ字や語句の変更を加えて
 いる。)。
 
 「8月のお盆過ぎ、△△先生にぎゅっと手を握られて連れて行かれた。『離
  して』と頼んだが離してくれず、先生の手を噛むと頬を叩かれた。」
 「新聞係の仕事をしなかったとき、××先生が持ち上げて引きずって医務
  室へ連れて行った。胸ぐらをつかんで持ち上げられ、拒否すると蹴られ
  た。」
 「△△先生が□□君を担いで幼児室に連れて行き、何回も叩かれたよう
  だ。」
 「人の物を盗ったとき、××先生、○○先生から襟首を捕まれて連れて行
  かれ、頭と顔を5発叩かれた。」
 「友人宅に行って深夜の12時か1時ころ帰り、嘘を言ったら、1階医務
  室で○○先生からピンタをされた。」
 「小学生のリーダーとしてまとめられなかった際、○○先生、××先生か
  ら何発も叩かれたり蹴られたりした。2階の静養室やスタッフルームな
  どに呼び出されて怒られる。」

  このほか、施設において職員から何らかの暴行を受けた、あるいはそれを見聞
 きした証言が多数存在しており、このような証言をした児童は、聞き取り児童
 70名のうち実に33名にも上っている。

2 8月28日の特別監査は、年1回の定期児童面接を行う予定だった日に、急遽
 実施したものである。そのような調査において、33名もの児童が有形力の行使
 の存在を証言しているという事実からは、みなで何らかの意図の下に示し合わせ
 虚偽の事実を述べたということはおよそ考えがたく、ここでの証言内容は基本的
 に信用性が高いものと考えられる。
  当委員会が福岡市から提供を受けた資料によれば、福岡育児院の理事らへの説
 明の場において、「児童は嘘をつくものだ」などと いう発言があったとのことで
 ある。その当否はあえてここでは述べないが、上記のとおり、急遽実施された特
 別監査において、上記のような具体的な指摘も含め、33名もの児童から暴行の
 存在についての供述がなされた事実は、極めて重いと言わざるを得ない。このよ
 うな状況について、「児童は嘘をつくものだ」などという抽象的な一般論で説明
 はつかない。
  念のため述べるが、福岡市の職員が、特別監査の結果について、福岡育児院
 おとしめるためにあえて事実を曲げた報告を行ったなどということもまた、およ
 そ考えがたい。

3 なお、本件がマスコミ等で報道された後、福岡育児院の入所児童らから、福岡
 市及び当委員会に、複数の手紙が送付されてきている。ここには、施設内では暴
 力など全くなかったという記載がなされている。しかしながら、この手紙は、上
 記8月28日の特別監査での聞き取り調査の信用性を左右するものではない。
  まず、有形力の行使があったと言っても、必ずしも児童全員の目の前でなされ
 ていたわけではないから、この事実を知らない児童がいても何らおかしくない。
 したがって、施設内で有形力の行使は行われていないと言う児童がいたとしても、
 33名もの児童が有形力の行使について証言した事実は動かし得ない。
  次に、手紙の内容としても、施設内で有形力の行使は一切なかったと断言する
 ものもあるが、中には、「叩かないでやっていられるのか」「中には本当に殴ら
 れたりした人もいるのかもしれない」などと記載されたものもあり、必ずしも全
 ての手紙において有形力の行使の存在が完全に否定されているわけではない。
 さらに、今回手紙を書いている児童の中にも、8月28日の特別監査の際に、
 有形力の行使を受けた、あるいは見聞きしたと証言している児童が複数名存在す
 る。
  今回の件で、児童らが自分たちの生活の場が巷間の話題になっていること等に
 より幸い思いをしているであろうことは、当委員会としても理解しており、大変
 残念に思っている。この点については今後、福岡市等において十分対処していく
 必要がある事項である。ただ、そのことと、児童らの手紙の内容を真実と捉えて
 よいかは全く別問題であり、上記のような事情を勘案すれば、これらの手紙は、
 8月28日の特別監査における聞き取り調査の信用性を左右するものではないと
 言わざるを得ない。

  以上のとおり、8月28日の特別監査における児童からの聞き取り調査の信用
 性は高いものと考えられる。その中で、33名もの児童から、暴行等有形力の行
 使について述べられている事実は極めて重く、福岡育児院において暴行等有形力
 の行使が行われていたことは否定Lがたい。

第3 本件のきっかけとなった児童らの供述の信用性


1 次に、特別監査の後福岡育児院を出てこども総合相談センターに保護を求めた
 児童らの供述の信用性を検討する。

  これについて、当委員会には、福岡市の職員が児童らから事実の聞き取りをし
 た結果及び、児童らの代理人弁護士が児童らから聞き取りを行い作成した陳述書
 が提出されていた。これに加え、当委員会において、直接児童らに面談し、聞き
 取りを行った。
  児童らの証言は具体的かつ詳細で、さらにこれらの複数回の聞き取りに際して、
 大筋において一貫しており、大きなぶれは見られない。また、問題となっている
 行為については、これを受けたとする当該児童だけでなく、それを目撃した児童
 や話を聞いた児童なども供述をしているが、これら複数人の供述内容も、大筋に
 おいて一致しており、大きな矛盾は見受けられない。

2 また、児童らの言い分に対する福岡育児院職員の反論(例えば10月3日付「職
 員に対する聞き取り書について」添付の別紙1など)によっても、生物の片付け
 を巡って児童ともめ事になったり、某居室での掃除を巡って児童ともめ事になっ
 たりしたという状況自体が存在したことは明らかである。
  仮に児童らが、職員による有形力の行使を全くでっち上げようとしたのであれ
 ば、このような具体的場面に引き寄せて創作する必要もない。状況自体、架空の
 状況を作り上げて、その中で種々暴行を受けた事実を作出して供述すればよいだ
 けのことである。
  児童らの言う状況自体は、福岡育児院職員も認めるところであり、確実に存在
 した。この事実は、児童らの供述の信用性を高めるものである。

3 これに対し福岡育児院は、これら児童の中心となっている児童を名指しし、同
 人が自身の要望が聞き入れられないことから不満を募らせ、施設に不満を持って
 仕返しをするために行った行動であると主張している(福岡育児院作成「特別監
 査から現在までの経過について」)。
  しかしこれでは、現在の状況は全く説明がつかない。
 すなわち、この特定の児童が不満を暮らせたために行った行動に過ぎないので
 あれば、この児童以外の児童まで一緒にこども総合相談センターに保護を求め、
 その後施設での有形力の行使について供述する理由がない。また、8月28日の
 段階において33名もの児童が有形力の行使について証言している事実とも全く
 整合しない。
  このように、本件を特定児童の福岡育児院への仕返しととらえたのでは、現在
 の状況を全く合理的に説明できない。仮に、百歩譲って、当該児童が福岡育児院
 へ不満を募らせており、それが故に有形力の行使等の事実をこども総合相談セン
 ターに通報したのだとしても、それはあくまでも通報の動機に過ぎず、福岡育児
 院において有形力の行使等が行われていたこと自体は、8月28日の特別監査の
 結果から明らかなとおり、否定し得ない事実である。
  本当に福岡育児院が、現状を特定児童による施設への仕返しに過ぎないと認識
 しているのであれば、そのこと自体、全く問題の本質を把握しようと努めていな
 い証左であり、極めて問題である。

4 以上からすれば、児童らの供述は大筋において信用できるものであり、当委員
 会は、前記のとおりの事実を認定した。

第4 福岡育児院職員らの反論の信用性


1 以上に対し、冒頭で述べたとおり、福岡育児院の職員らは、施設長以下みな、
 施設において暴行等有形力の行使は一切なかったと反論している。
 そこでこの反論の信用性を検討する。

2 まず前記のとおり、8月28日の特別監査における聞き取り調査の結果は信用
 性の高いものと言え、施設において児童らに対する有形力の行使がなされていた
 ことは、否定Lがたい。
  福岡育児院の職員らは、その程度や頻度、理由などについて種々言い分を述べ
 るのであればともかくとして、そもそも有形力の行使は「一切」なかったと口を
 そろえている。これは、信用性の高い8月28日の特別監査における聞き取り調
 査の結果と真っ向から反するものであり、到底信用できない。

3 また、福岡育児院が暴行等有形力の行使の存在を否定するに至った経過も不自
 然である。
  すなわち福岡育児院は、当初は有形力の行使の存在を認めるような発言を行っ
 ていた。例えば、施設が9月3日付でこども未来局長宛てに提出した「特別監査
 に関する中間報告について」には、次のような記載がある。
 「不適切処遇はやってはいけないと言っていたのに、なぜやったのかを問
 いただした。

 ○判明したこと
  *不適切処遇という認識がなかった。我々が話してきた事が十分に理解さ
   れておらず、認識に落差があった。
  *いけないとは思っていたが、余りにも反抗するためついやってしまった。
  *私の指導が十分でなかった。」

  また、福岡市の記録によれば、8月30日、福岡育児院施設長室において、施
 設長は、福岡市こども家庭課長及び同係長に対し、次のように述べている。
 「8月29日10:00~12:00に施設長、次長、主任指導員及び体罰を行ったとされる職員
  を集めて話をした。何回か叩いたと言った職員がいた。
  ・そこで、一人ひとり文書で出すように言った。
  ・心当たりがあることを文書に書いて持ってきている者もある。持って
  きていない者もいる。」

  これらからすると、当初職員らは、有形力を行使したことがあることを認めて
 おり、福岡育児院としてもそのように認識していたものとうかがえる。
  ところがその後、9月上旬以降、福岡育児院の態度は全く変わり、有形力の行
 使等について全て否定するようになった。また、福岡市が再三にわたり、職員か
 ら聞き取りをした文書自体を提出するように指示しているにもかかわらず(この
 文書が存在することは、上記のとおり明らかである。)、福岡育児院は、一覧表
 形式の調書が唯一の記録であるとしてそのような文書の存在を否定し、提出を拒
 んでいる。
  有形力を行使した具体的な日時や状況といったことであれば、落ち着いてよく
 思い返して後になって記憶が喚起されたということもあるかもしれないが、自分
 が児童を叩いたことがあるかどうかなどということについて、後に記憶が喚起さ
 れ実は叩いていないことを思い出したなどということは、およそ考えがたい。む
 しろ逆に、時が経過すれば、自身に不都合な事実を隠蔽する方向に意識が働くこ
 とは容易に想像できる。

  上記の経過からすれば、当初職員らは有形力の行使について認めており、施設
 としてもそれを認識していたが、後にこれを全否定する方向に舵を切ったと見る
 のが自然である。

4 なお、上記の当初は職員らが有形力の行使を認めていたという事実に開し、も
 う1点指摘しておく。
  当委員会が福岡育児院の理事から聞き取り調査したところによれば、9月5日
 の理事会の際に施設側から配布された資料には、職員らからの詳細な聴取結果が
 記載されていたということである。すなわち、福岡市に提出された9月3日付「特
 別監査に関する中間報告」添付の別紙「特別監査に係る不適切処遇に関する中間
 調査報告書」においては、「2 平成16年の不適切処遇事案以後における不適
 切処遇の状況について」の項は、「後日報告させていただきます」となっている
 が、理事会で配布された資料では、この項に、具体的に複数の職員の名前が挙げ
 られ、それぞれの職員が、どの児童に、どのような有形力の行使をしたと述べて
 いるかが詳細に記載されており、中には、襟首をつかんで連れて行った、背部や
 大腿部を叩いた、頭部を平手ではたいた、足払いをかけたなどの行為も記載され
 ていたとのことである。そしてこの資料は、理事会終了後、回収されたとのこと
 であった。

  この事実は、上記の8月29日の段階で施設長が「何回か叩いたと言った職員
 がいた。」と述べていたことと符合するものである。当初は職員らも有形力の行
 使について認めており、施設もそれを認識していたことは明らかである。

5 さらに言えば、有形力の行使以外の処遇に関する職員らの供述も、明らかに不
 自然である。
  例えば、施設から提供を受けた指導員日誌(各部日誌)には、児童の集会にお
 いて、児童が自身の規則破り等の悪い行いについてみなの前で述べ、これに対す
 る罰を決めたという記載が複数回見られる。また、ある児童が規則破りをしたこ
 とにより、全く関係していない他の児童も連帯責任と称して罰を受けることも何
 度も記載されている。これらの事実について、当委員会が確認しようとしたとこ
 ろ、職員らはみな、「そのようなことはしていない。」と回答した。
  しかし、日常業務の中で職員らが自ら記載している日誌の内容が、現実には存
 在しなかったというのは、全く信用できない。

6 このように、福岡育児院において有形力の行使が行われている事実は否定しが
 たく、しかも当該職員らも当初それを認めており、施設も認識していたにもかか
 わらず、職員らはその後、有形力の行使等は「一切」行っていないと否認に転じ
 ている。また、有形力の行使以外の処遇についても、職員らが作成している日誌
 に記載されている内容について当委員会が確認しようとしても、その事実の存在
 自体を否定するという態度を示している。
  このような供述状況からすれば、残念ながら、今回当委員会が聞き取りを行っ
 た、施設長をはじめとする福岡育児院の職員らは、自身の行った不都合な事実に
 ついてこれを否認するという態度に出ていると判断せざるを得ない。このような
 態度に出ている以上、職員らの証言は、全体として信用することができず、少な
 くとも、これに基いて事実認定を行うことは不可能である。

第5 まとめ


 以上述べたとおり、供述の内容や供述がなされた状況に鑑み、8月28日の特
別監査の際の聞き取り調査や、今回の事件に際しこども総合相談センターに保護
を求めてきた児童の証言に信用性が認められる。他方、これに反する福岡育児院
の職員らの供述は、自身の不都合な行為を隠そうとして否認の態度に出ているも
のと考えられ、そうである以上、全体として信用性を認めることができず、少な
くとも、事実認定の根拠とすることは不可能である。
 以上の次第で、当委員会は、前述のとおりの事実を認定した。

tag : 福岡育児院

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