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2008-04-02(Wed)

津山二葉園判決 その6

被告の債務不履行責任iについての、原告側の意見です。

(4)被告らの債務不履行責任の存否
(原告らの主張)

ア 被告菜花の里の責任
(ア) 原告らは,岡山県から被告菜花の里が運営する二葉園に措置されていたものであるが,被告菜花の里は,施設入所に関する公法上の法律関係に付随して,原告ら園児の福祉が害されることのないよう,入所期間中はその安全に特段の配慮を行うべき義務を原告らに対して負っていた。
 それにもかかわらず,被告菜花の里は,被告水島の原告らに対する虐待行為を漫然放置して原告らに損害を与えてきたのであり,原告らに対する安全配慮義務違反として,債務不履行責任を免れない。

(イ) 最高裁は,「安全配慮義務は,ある法律関係に基づいて特別な社会的接触の関係に入った当事者間において,当該法律関係の付随義務として当事者の一方又は双方が相手方に対して信義則上負う義務として一般的に認められる」ものであるとの観点から,国が国家公務員に対して安全配慮義務を負うことを認め,その義務違反に基づいて公務員が国に対して取得する損害賠償請求権の消滅時効期間を民法167条1項により10年であるとした(最高裁昭和50年2月25日判決)。要するに,私法上の契約関係がなくても,ある法律関係に基づいて特別な社会的接触関係にあれば安全配慮義務が成立し,その違反によって生じる損害賠償請求権の時効期間には,民法167条1項が適用される。
 安全配慮義務は,使用者の管理する現場において,指揮命令に従って労働に従事する労働契約関係の場面を中心に議論されてきたが,「ある法律関係に基づいて特別な社会的接触の関係に入った」といえるかどうかという基準の解釈により適用場面が拡大されてきた。直接の契約関係にない下請業者に雇用された労働者と元請業者間(東京地判昭和50年8月6日,福岡地小倉支判昭和49年3月14日,東京地判昭和56年2月10日)をはじめとして,売買契約,賃貸借契約及び運送契約に付随する形でも認められるに至っている。
 本件に類似する在学関係においても,私立,国公立を問わず,学校側の生徒に対する私法上の契約関係を媒介としない安全配慮義務が認められている。私立学校においては,在学契約に付随する義務として肯定されており(山形地判昭和52年3月30日),公立学校に関しても,当該在学契約に付随する義務として認められている(長野地判昭和54年10月29日)。更に,国立大学においては,行政処分によって発生した法律関係が一定の目的(大学においては教育・研究目的)達成のための管理権を伴うものである以上,信義則等により,大学当局は学生に対して安全配慮義務を負うとの論理によって肯定されている(東京地判昭和55年3月25日)。

(ウ) 本件の場合,二葉園は,保護者のない児童,虐待されている児童,その他環境上養護を要する児童を入所させて,これを養護することを目的とする施設であり(児童福祉法[以下「法」という。]41条),原告らは岡山県の措置によって二葉園に入所し(法27条),入所に要する費用及び入所後の養育に要する費用は,岡山県が支弁している(法50
条)。
 原告らは,岡山県の二葉園に対する「措置委託」という準委任契約を介することによって二葉園に入所し,その物的施設を利用し,その職員の指導監督の下に生活することになった。
 また,現在,社会福祉のすべての分野での大きな流れとして「措置(すなわち行政処分)から契約へ」という動きがあり,児童福祉施設の中でも保育所については,平成9年改正により,措置によらず利用者の申込みを前提とする制度に変わっている。児童養護施設についていえば,施設の性質上 積極的な合意を前提とはしていないものの,法27条1項
3号の入所措置については,親権者又は未成年後見人の意に反してはできないこととされており(同条4項),少なくとも児童側の「同意」を基礎にした入所であることはいうまでもない。原告らも,前提となる事実のとおり,いずれも同意入所によるものである。したがって,被告らが主張する契約類似の「合意」を基礎においているかどうかの観点からは,十分「類似」の関係にある。
 もっとも,入所には,同意によらない入所,つまり法28条による措置がある。しかし,同意か措置かの入所形態の違いによって安全配慮義務の適用に差異があってはならない。児童養護施設や乳児院など,いわゆる入所生活型の施設については,学校における在学関係にも増して,施設は児童の生活全般にわたり関与し,施設は親権者等に代わって児童の養育,監護に努める直接的立場にあり,児童が施設を利用する上で,その健康や安全に対して配慮すべき義務を負っているといえる。
 よって,二葉園の設置者である被告菜花の里は,「ある法律関係に基づいて特別な社会的接触の関係に入った」といえ,岡山県に対してだけでなく原告らに対しても,その健康や安全に配慮すべき安全配慮義務を負っていると解される。それにもかかわらず,被告菜花の里の履行補助者である被告水島は,原告らに対し暴行や労働強制をしたのであるから,被告菜花の里は,原告らに対し,債務不履行責任を負う。

イ 被告水島の責任
 被告水島は,被告菜花の里の履行補助者の立場にあった者である。被告水島は,前述のとおり,原告らに対し,暴行を加え労働の強制をしたのであるから,被告水島には,債務不履行に基づく損害賠償義務がある。

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