2008.05/21 [Wed]
赤ちゃんポスト:設置1年 熊本・慈恵病院、17人預かる 13人は手紙など一緒に

http://mainichi.jp/life/edu/child/news/20080521ddp012040023000c.html
赤ちゃんポスト:設置1年 熊本・慈恵病院、17人預かる 13人は手紙など一緒に
◇熊本市公表
熊本市は20日、同市の慈恵病院が昨年5月10日に設置した、親が育てられない赤ちゃんを匿名で預かる「赤ちゃんポスト(こうのとりのゆりかご)」の運用結果を初公表した。3月末までの約11カ月間に預けられた子は17人(男13、女4)。このうち13人は親が手紙など着衣以外のものを一緒に残しており「親のつらい思いがくみ取れた」(幸山政史市長)という。一方、9人は親の身元が判明したが、再び引き取られた子は1人だった。【結城かほる】
17人中、14人が新生児(生後1カ月未満)で、乳児(1年未満)が2人、幼児が1人いた。虐待の疑いがある子はいなかったが、精密検査など医療行為が必要な子が2人いた。
身元が判明した9人の親の居住地は、熊本県以外の九州が3人、中国、中部、関東地方が各2人だった。身元が分からなかった8人は熊本市が「棄児」として戸籍を作成した。 親が引き取った1人以外の子供のその後の行き先は、個人が特定されるとして非公表としたが、大半が県内外の乳児院などの施設に入所したとみられる。
市は当初、預け入れ件数のみ公表するとしていたが「社会的検証ができるよう可能な限りの公表が望ましい」との意見を受け、16項目を公表した。
幸山市長は「母親の手紙にはつらい思いが読み取れるものもあった。救えた命がある点で、(ポストの)設置許可の判断は間違いなかった」と述べた。
◇人数非常に多い−−元大阪市中央児童相談所長の津崎哲郎・花園大教授
預け入れ17人というのは、都道府県の児童相談所の感覚からすると非常に多い。国民への浸透度が高いと言えるのでは。個条書きのデータだけでは、今後につながる意義を世間が判断し、検証するのは難しい。預けた人たちの状況や心境を個人情報に抵触しない形でまとめた方が良かった。
◇施設増やすべき−−海外事例を研究しているノートルダム清心女子大の阪本恭子講師
新生児かどうか、身長・体重、健康状態だけ発表する(先進地の)ドイツより詳しい情報が公開された。児童相談所や市との連携もうまくいっているようだ。公立も含め(赤ちゃんを受け入れる)施設を増やした方がいい。匿名で出産し、後から子供の預け入れを相談する制度も視野に入れていいのではないか。
◇乳児院は一時満員、里親の登録急増−−幸せ願い、対応模索
赤ちゃんポストに預けられた赤ちゃんの多くは現在、県内外の乳児院で育てられているとみられる。成長すると里親に引き取られるか、児童養護施設などに入所する。熊本県内のある乳児院を訪ねた。
「『ベビー』では、面会に来た他の親に気付かれませんか」。昨年、ある赤ちゃんが寝るベッドの名札に、院の職員が疑問の声を上げたことがあった。
赤ちゃんには名前がなかった。ポストに預けられ、親の身元が分からない子は、熊本市長が名前を付けて戸籍を作るが、作成に約1週間かかり、入所が先になってしまったのだ。結局、乳児院が仮の名前をつけ、数日間を過ごした。
院長は「戸惑いはある。(ポストに預けられた子は)成育環境や親の健康状況などの情報がなく、気を使う1年だった」と話す。
県内3カ所の乳児院の定員は計60人。ポスト設置前、8割ほどだった入所率は昨年、9割を超え、一時満員にもなった。それだけ命を救えたと言えるが、院長は「どうすれば、この子たちが幸せになれるのか、それはわからない」と話す。
◇ ◇
「養子を望む里親は熊本県内にもいる」
18日、熊本市で開かれた里親の研修会で、県へ要望が相次いだ。県内の里親登録者数は85人前後で推移していたが、07年度は97人に増えた。新規登録者も17人と例年の倍近い。県里親協議会の米田早利事務局長は「ゆりかご効果では」とみる。
乳児院の入所期限は原則2歳。児童相談所は、養子縁組を含む里親委託を検討するが、赤ちゃんポストの子が里親に引き取られるケースが出るかは「一概に言えない」(熊本中央児童相談所)。
養子として引き取られても、米田事務局長は「その後」を心配する。法的には、養子縁組が成立すれば児童相談所の役割は終わる。「実子でも育児には悩む。養子ならなおさらで、相談もしにくいのが現実」。米田事務局長は「協議会として、里親が相談できるよう関係をつないでいきたい」と話す。
毎日新聞 2008年5月21日 西部朝刊

ただ、乳児院・養護施設を太らせるだけ…
赤ちゃんポストに捨てられた子どもは、全員、乳児院に入っているの。赤ちゃんポストを作ったのはいいけど、捨てられた子どもを、どのように里親家庭につなげていくのか、その仕組みづくりを考えないままに、単に「赤ちゃんの命を救いたい」という思いだけでスタートしたポストなのね。

乳児院の入所期限は原則2歳。児童相談所は、養子縁組を含む里親委託を検討するが、赤ちゃんポストの子が里親に引き取られるケースが出るかは「一概に言えない」(熊本中央児童相談所)。
結局、捨てられた子どもは、乳児院・養護施設と育ち、現れるあてのない親を待ち続け、結果として、子ども時代の全てを施設で育つの。

ポストにこっそりと匿名で捨てたか、児相経由で親の名前を知られて捨てたかの違いでしかないの。
赤ちゃんにポストに捨てたら、3ヶ月経って名乗り出なければ、棄児として知事の権限で養子縁組をする。こんな制度にしなければ、捨てられた子どもは、乳児院・養護施設の安定財源となるだけ。

この国は、捨てた親、捨てられた子ども、どちらを向いて仕事をしているのかしら…
- at 22:38
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数の一致
新聞記事を紹介してくださってありがとうございます。
赤ちゃんポストに入れられた子どもの数17人と、
熊本県の新規里親登録者の17人は奇しくも一致するのですね・・・。
里親さんの事前学習に要する時間的な問題や、mariaさんやLeiさんが主張されているような里親さんの資質の問題、里親登録しているのに里子が来ない里親さんの状況、そういったものものを考えて、単純に数値を抽出し、心を奪われるのものもいかがなものかとは思いましたが、朝、mariaさんの記事を見て、単純な数値の一致が、とても切なく、悲しく、複雑な余韻を残したような、そんな気持ちになりました。
新生児ほど、限定された養育者が必要な存在はないのに。と。それは、担当の保母とは比べ物にならない限定性を要するのに。と。
写真の花がとても美しいですね。
柔らかなレースのようです。
長々と、失礼いたしました。
それでは。おやすみなさい。