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2009-04-24(Fri)

養護施設の子は、水子にも、家庭の子にもなれない中途半端な「生き霊」

水子―“中絶”をめぐる日本文化の底流 

⇒日本では捨てられた子は居場所がない…
⇒祟りってなに?
⇒児童養護施設は、現在の水子寺?
⇒読書感想文:「水子 中絶をめぐる日本文化の底流」を読んで1
⇒読書感想文:「水子 中絶をめぐる日本文化の底流」を読んで2

第12章 異文化の交差
慈悲 / アメリカでの祟り / 滑りやすい坂道を登って / 多殖主義を超えて / 解決

 この本を読み終えて、数日経ったの。今日、最後の章をもう一度読み返したの。
著者のウィリアム・R・ラフルーアさんは、日本の水子の考察を、どのような結論として提示するのかしら?

甲高い叫び声が漏れないようぎゅっと枕を嚙み締めている女たちについて考えた。中絶は優しさと残酷さとの間の最も狭い稜線である。それがどんなにうまく行われようとも、暴力であることに変わりない。苦しんでいる動物を死に追いやるのと同じ慈悲深い暴力なのだ。

 と、欧米の禅ブームを作ったロバート・ベーカー・エイトケン(Robert Baker Aitken)の著作から、「中絶を慈悲深い暴力」としているの。
 「中絶」に関する報復の文化比較も興味深いものがあるの。キリスト教的考えでは、「『復讐は私のすること。私が報復する』と主は言われる」と聖書の一節を紹介し、復讐は神が行うものとしているの。水子が報復するのではなく、神がそのような行為に報復するのね。
 そして、中絶反対派は、その神の怒り(中絶の報復)は、自分たちの民族(または国家)に降り注ぐと考えているの。
 
 日本では、水子は国家や民族への報復を行わず、もっぱら親や兄弟に報復(祟り)すると考えられているの。そこに水子供養の原点があり、供養は「祟り」をなさないように水子の霊を慰めることなの。
 
 欧米の中絶反対派は、「中絶があらゆる犯罪や生命軽視の入り口」であるかのように考えているの。これを「滑りやすい坂道」論法と呼んでいる。ところが、中絶天国で日本では、欧米よりも犯罪率が低く、家族も崩壊していないという。
 
 最後に多殖主義と人口爆発の問題に触れている。実は、この人口問題については、もっと掘り下げて欲しかったところなの。
 創世記(旧約聖書)では、「産めよ、増えよ、地に満ちて地を従わせ、全ての生き物を支配せよ」と多殖を肯定したけど、実は神道を含め、全ての原始宗教では、多殖を肯定しているのね。そして、神の姿や肌の色は、それぞれの民族の姿だという。
 
 欧米の排他的論争に終始する中絶論争に対し、「盗人にも三分の理」などのように、「日本人は、争いの当事者全員に責任があると考えたがりる」と脅迫的に白か黒かの決着をつけることを避けるという。
 その現れてして、さまざまな考え方を取り入れるブリコラージュとして、日本仏教は中絶に対する明確な態度を表し得ないという。

 水子供養をしながらも、「他界にいる子どもより、この世にいる本物の子どもの幸福を優先される」という。「日本人は世界中で最も強固な家族制度を持っている」とロバート・ニスベットの言葉で締めくくっているの。
 
 実は、これで終わりではなく、「結論」と題した最終章があるの。
 
 「数百万人もの望まれない子どもが社会に与える影響」について、日本は中絶をもって回避してきたの。乳児死亡率の低さ、学校中退率、薬物中毒、レイプ犯罪など、アメリカに比べて低いという。

 といういうことで、読後感
 
 「家族計画」としての中絶、少なく産んで大切に育てる日本というのが、この本のテーマの一つであると思えるの。

 いらない子どもは、産む前に処理し、水子として供養する日本。
 養護施設に長期入所する子どもたちは、この日本の「水子システム(または家族計画)」から外れてしまったエラーなのだと思ったの。

 もし中絶を廃止し、年間30万件の中絶が10年無いと仮定すると、300万人のいらない子どもが世に現れる。これは、終戦直後の浮浪児狩りのように、大きな社会的な問題となるの。

 だけど、日本的「家族計画」があるから10年間で300万人、15年間で450万人もの望まれない子どもは発生せず、その「家族計画」の誤差の範囲内であるたったの3、4万人の子どもたちが養護施設にいるだけ。
 だから、社会的圧力も生じないし、当然、社会からの関心も向かないの。膨大な数の海外の孤児たちには関心が向いても、ごくわずかな日本の孤児には関心が向かない。

 この本の内容が全てではないし、取りこぼしていることはたくさんあると思うの。欧米の孤児院を取り上げるのであれば、日本の孤児院である養護施設のことも触れて欲しかったの。
 
 養護施設の子どもは、間引いた水田からこぼれ、水田の外で自分勝手に育つ雑草のような稲なのね。

 この本を読み終えて、養護施設に入っている子たちは、水子にも、家庭の子にもなれない中途半端な「生き霊」のような存在なのだと、改めて思ったの。

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