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2009-12-06(Sun)

どこの馬の骨…

 親のいないあたしでも、「結婚しよう」と言ってくれた人がいないわけではないの。
 
 かつて、まじめにおつきあいをしてくれた人がいた。音楽ソフトの入力のアルバイトで知り合い、つきあうようになった。
 音大を卒業して、クラシック音楽の世界で活動を始めようとしている方だった。
 
 彼には、親がいないことも、施設を出ていることも、中卒であることも正直に話していた。家庭を知らないあたしは、おつきあいをするということが、やがては結婚するかもしれないということに結びつかなかったの。
 
 クラシックの演奏会に連れて行ってもらったり、バレエの公演にも連れて行ってくれた。
 
 精一杯のおしゃれをして、ハイソサエティな世界に背伸びをして歩いている気がしたの。それなりに楽しかった。
 
 彼の家に行ったときのこと、彼が席を外しているとき、彼のおかあさんに言われた。
「うちは母子家庭だけど、どこの馬の骨とも知れない子をもらうほど落ちぶれてはいない」と…
 彼の家は、母子家庭とはいえ、いくつも不動産やアパートを持つ裕福な家だった。
「財産目当てではなく、きちんとした家の嫁をもらうつもり…」とも言われた…
 
 それまでのあたしは、たとえ施設を出ても、本人がまじめに生きていれば、世間はきちんと評価してくれると思っていたの。そして、世間知らずではあったけど、さまざまな失敗を繰り返しながらも、まじめに生きているつもりだったの。

 今の仕事も、あたしのまじめな働きぶりをみた社長が、ウチの会社に来ないかと誘ってくれた。だから、まじめにやっていれば、必ず見ている人はいると思っていた。
 
 その時は、「どこの馬の骨」と言われて反論も出来ず、だまってしまった。言葉の意味はわからなかったけど、言葉の口調から断られていると思ったの。
 ショックは無かったと思うけど、世の中をガラス越しに見ている感覚になり、その日は、どう帰ったのか憶えていない。
 
 その後、何度か誘われたけど、いろいろ口実をつけて断ってしまったの。彼のおかあさんが、息子に「馬の骨」の話をしたのか知らない。たぶん、していないと思う。
 
 あたしの知っている粗暴な施設の男子たちと違い、暴力的ではなく、むしろ紳士的で、知的な雰囲気を漂わせている彼は、会っていても楽しかった。クラシック音楽の楽しさを教えてくれた。
 でも、その背後に控える母親の影に、あたしは怯えてしまった。いつしか、会わなくなっていた…
 
 いまのあたしだったら、それなりに反論したり、母親が反対しようとも、好きならつきあい続けたかもしれない。でも、あの頃のあたしは、自分が何者であるのかも判らず、アイデンティティも確立されず、プライドも無かったと思う。世間の人には負けたくないという意地だけはあったかも知れないけど…
 
 いま思うと、施設でも、施設を出てからもいろいろあったけど、それでも、まじめに生きてきたあたしを、全て否定された気持ちになったのだと思う。彼への思いよりも、自分を否定されたことへの衝撃が大きかったのだと思う。


 その彼が結婚したという噂を聞いた。おなじ音楽の世界の人だという。嫌いで別れたわけじゃない。幸せになって欲しいと願っています。

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No title

山下さん、こんにちは。

「昼ドラ」は、困難を乗り越えハッピーエンドになるみたいですけど、施設の子の現実は身も蓋もないものです。

 ドラマの主人公のような美貌も、才能も、何もなく、困難を乗り越える力も気持ちもなく、厳しい現実に打ちのめされ、ただ社会を恨んで、あきらめて消えていく。

 そんな施設育ちが少なくありません。
 施設育ちの言葉が何の参考になるのかわかりませんが、「子どもたちを施設ではなく里親家庭で育てて欲しい」という意見は、ぜひ参考にしていただきたいですわ。

No title

Leiちゃん、

いつもあたしのブログの模様替えありがとう。
サイドバーは、何がどうなっているのか判らないほど機能が増えたりしているけど、記事やコメントだけでなく、サイドバーもチェックするようにするわね。

あたしの施設は、流れている音楽は宗教関係の曲ばかりだったの。
外から来た子たちが「歌謡曲が聴きたい」と騒ぐのを「火曜曲ってなに? それじゃ、月曜曲も水曜曲もあるわけ?」とまじめに思ってたわ。

時代を超えて残っている曲には、心の琴線に触れるものがあるのね。

No title

いつもブログを定期登録して拝見していて、初めてコメントする山下と申します。昼ドラのような出来事なので唖然としながら読んでました。私は両親が二人いて施設育ちというわけではないですが文章を含めて参考になる意見が多いのでネットを通じて話ができればなと思います。宜しくお願い致します。

境遇を超えられない現実

 とてもとても悲しい。施設を出ても境遇に負ける事無く精一杯生きていても、いざ結婚、いざ就職、いざ・・・となれば、どうしても、境遇を超えられない場面が出てくる。

 そしてそれは、特に「家」が関係する結婚の話においては、避けて通れない道。

 わたしも以前付き合っていた彼が、いきなりアメリカのシリコンバレー(もはや死語?)に行くとなった時、わたしは、彼を追いかける事も出来た筈だったのに、出来なかった。

 彼がアメリカに行く事に決まったその裏に、なんらかの彼の家の力が働いていると、悟ったから、だから出来なかった。

 ほとぼりが冷めるまでって事なのだと知った時、まあわたしはもともと無愛着なので、その人は行くに任せて自分は、次の人とお付き合いしたけど。

 ごめん。

 わたし、Mariaがクラッシックの音楽を良く知っているのは、わたしのように施設がその音楽しか聴かないからと思い込んでいたので、今回の話にはとても驚いたよ・・・。そして悲しくなった、自分の事も少し思い出した。
 
 境遇を超えるように努力しても、その努力が何の力にもならない事をわたしも体験している。

 「ボランティアをしているわけじゃありません」と彼のお母さんから、そっと耳打ちされた時、全てが凍った気持ちになり、もういいや、と、立ち去った。

 そんな日の事を、唐突に思い出した。ごめんね、あなたへのレスなのか、自分の話なのか分からないね。

 彼への思いよりも、自分を否定されたことへの衝撃が大きかったのだと思う。
 
 書いてくれてありがとう。そこは大事な部分だと思う。わたしはもう、自分の個人のこだわりを超えたところで、子どもが育つ養育環境を考えざるを得ないと感じる。
 
 ただ、個人の問題をとことん考える渦中の人々もいるから、それはそれとして、わたしは先を歩かなくちゃと思っている。 
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